なんかクラシックギターブームがものすごく久しぶりに来てる感じがする。
ウクレレ弾きとしては、クラシックギターは無視できないジャンルのような気がするな。
クラシックギターファンと古楽(リュート)ファンにとって無視できないクラシックギター奏者といえばジュリアン・ブリームです。リュートも弾いてたけど、イギリスリュート協会の会長だったダイアナ・ポウルトン(ダウランド研究で有名。ダウランドの全曲集や評伝を出版している。)とは仲が悪かったらしい。
ブリームはルネサンス、バロック、古典の曲もすごくいいのですが、現代曲をいっぱい録音したことで有名ですね。
僕も大学生のときに弾いていた曲はブリームの録音で有名だったりしました。
最近は、Spotifyで昔の音源もいろいろと聴けるようになったので、ブリームを探してみましたよ。
すると、ありましたありました。
「20世紀のギター」
これは、僕の持ってる、後で編集して再発されたCDとかぶってる曲が多いけど、1968年に出たものらしい。
なんと1曲目はスミス・ブリンドル「黄金のポリフェーモ」。
大学4回生のときに出たコンクールの本選で弾いた自由曲です。コンクール前に一度だけ先生に聴かせてもらったことがあったと思うけど、たぶんその時もブリームの録音。
そんなにいい曲だとは今は思わないけれど、当時はこんなのが好きだった。というか、こういう曲を弾きたかったのだなー、としみじみ思う。こういう曲とは、12音技法で書かれていて、ソナタ形式など古典的な内容も含む、現代と古典をつなぐような曲、そういうのがカッコイイと思っていたんですね。
若気の至り、ってこういうときに使うのでしょうか。
でも、ブリームの演奏はやっぱり引き込まれます。
次の曲は超名曲、ブリテンの「ノクターナル」。
この曲は思い入れがあって、原曲となったダウランドの「Come Heavy Sleep」を弾きたかったのですよ。リュートでなんとなく弾いてましたが、改めてギターの「ノクターナル」聴くとヤバいですね。テーマのメロディ、原曲を知ると「なるほど」と思えます。そこから個性的すぎる変奏がいっぱいあって、クライマックスの「パッサカリア」。昔、ここの部分を聴いたときに脳がむず痒くなってくる感じがしました。ヤバい曲なんですよ。明らかに脳に変な影響を与えています。その部分を抜けるとダウランドの「Come Heavy Sleep」のメロディが美しすぎるぐらいに奏でられます。
そう、ここでほとんどの聴衆は死ぬのですよ。「死」ってこんなに甘美なものなの?
実際に死ぬときはどんな感じかわかりませんが、こんな感じだったらいいのになー、と思わせてくれます。
20世紀のギター曲の中で、一番好きな曲かもしれません。 このディスクでは他に、マルタン、ヘンツェ、ヴィラ=ロボスが弾かれています。
ヴィラ=ロボスは練習曲の5番と7番。
選曲にシビレますよね。ブリーム、やっぱりすごい。
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