高田渡、かなり昔から気になってたミュージシャンで、聴いてみるとなんともいえない味があります。
「生活の柄」が有名ですが、この人の曲は日本の現代詩人がかいた詩に、アメリカの古い曲をあてて曲を作ります。高田渡作曲となっていても原曲があるのです。それを見つけるのは楽しい作業なのですが、ブルーグラスをやってた人はすぐにわかるみたいですね。
それにしても詩が秀逸です。この曲はルンペンのことを歌っていますね。沖縄出身の山之口貘の詩です。日本でこういうことを歌にしているのは非常に珍しいと思います。70年代にはそれが可能だったのでしょうか。歌謡界と違って新しいフォーク界では新しいことをやったのですね。今はもう違っていますが。
「生活の柄」はデビュー当時の曲ですが、亡くなる前にこんな曲を録音しています。
「夕暮れ」(作詞:黒田三郎)
歳を取って家族もなく、一人で徘徊する老人を思い起こします。
でも寂しいのではなくて、本人にとっては自分に戻れるいい時間なのかもしれません。「自分の場所からはみ出してしまった多くの人々」を、「僕」は夕暮れの中で見ているのですから。
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